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翁屋の歴史

翁屋銘菓「松皮煎餅」にまつわるお話

親鸞上人の茶菓

そのむかし、親鸞上人が下津間(しもつま)小島の草庵においでになりましたとき、従者がつれづれの手なぐさみに茶菓をつくりましたところ非常によろこばれたと伝えられています。

この古事により、江戸時代に翁屋の始祖初代政平が永年の間苦心工夫をこらし、この銘菓が出来ました。

松皮煎餅の写真

原料と作り方

原料は砂糖と小麦粉を主としますが、代々伝えられた翁屋秘法の副材料を配合しているのが特徴です。

一家相伝の独特の製法により、表は焦がし、裏は白く焼き上げ、万代をかけてかわらぬ松の皮に模し、色沢芳香すぐれ、美味この上ない天下にほこる和菓子でございます。

長塚節の詩

長塚節先生の御贔屓に

歌人にして名作「土」の作者であります長塚節先生は、少年時代より度々本舗においでになりました。

明治三十三年三月、上京して正岡子規先生を根岸庵に始めてご訪問するとき、この松皮煎餅を御土産品としてお宅の丹波栗と共にお持ちになりました。子規先生がたいへんよろこばれたと伝え聞いております。

妹(いも)がきる裳(も)のしもつまの
 翁屋の翁さびすも 松皮煎餅

衣手(ころもて)の常陸(ひたち)の国のしもつまの
 菓子うる家の せんべいぞこれ

天覧を賜りました

昭和四年、水戸行在所において天覧を賜わりました。
東京、関東一円はもとより遠く京大神までこの翁屋煎餅の独特の風味を愛顧して下さる方々が多くございます。翁屋と致しましても、古い製法と最新の設備により日夜研究努力を続けております。

松皮煎餅を末永くご賞味御引立て下さるようにお願いいたします。